5月15日(金)10時30分より、「大人の課外授業」の本年度最初の講座として、当館講堂にて「アジア映画」の上映会を開催しました。今回は、ベトナム映画界を代表する「ダン・ニヤット・ミン」監督の代表作の一本で、題名は『10月になれば』です。ちなみに、今回の上映も「福岡市総合図書館」のご協力で実現しました。担当は、三浦隆さんでした。
長い間、戦地から戻らない夫の訃報を知った妻が、息子の帰りを心待ちにしていた義父を悲しませたくない一心で、生きているかのように見せかけるというストーリーです。「10月」は実りの時で、今は苦しくともきっと実りの時が来るという意味が、今回のテーマに込められています。
【あらすじ】
ベトナムのある村。ズエンの恋人は軍から召集されて戦場に行くことになり、二人はすぐに結婚する。長く戦地から戻らない夫を、戦地に訪問したズエンは、そこで夫の訃報を知る。しかしズエンと同居している義父は、息子が帰ってくる日を心待ちしていた。
彼女は義父を悲しませたくないために、偶然夫の戦死を知った小学校の先生・カーンに頼んで、夫からの手紙を書いてもらい、夫が生きているように見せかけるのであった。カーンは偽の手紙を書くことに罪悪感を感じるのだが、彼はズエンが好きで断れなかった。それでも真実を伝えるように彼女を説得しようと手紙を書くのだが、それが見つかって、ズエンとの仲を怪しまれてしまう。カーンは村人の間に噂が立って、ズエンに迷惑がかかるのを恐れ、だまって姿を消すのだった。
ズエン、カーン、そしてズエンの義父と三人の登場人物がおりなす心優しい、情緒豊かな作品。この映画を象徴する場面として、夕方の広場で様々な軍服を着た男が行きかう場面がある。この日は日本のお盆のような日で、死んだ人間が帰ってくる日なのである。ベトナムはフランス、アメリカ、中国などと戦争が続いたため、時代により歩いている人の軍服が違っている。そして最後にズエンの夫の幽霊がたたずんでいる。ベトナムの苦難の時代が凝縮された名シーンであり、深い悲しみが心にしみる。本作の題名には、10月は実りの時であり、今は苦しくてもきっと実りの時が来るという意味が込められているのです。(当映画の紹介文より)
【参加者のアンケートより・・・一部抜粋】
●夫婦愛と人間愛を強く感じる、とても良い映画でした。
●ベトナムの映画を初めてみました。悲しくも感動的な映画で、心に残る素晴らしい映画でした。
●義父が病気で本当の事を言えない優しさや苦しんで手紙を書いてもらう辛さに心が打たれました。
●良い映画でした。戦死した夫の事を義父に告げず、けなげに生きる姿が切なく感じました。ベトナムの風景も良かったです。
●世の中、戦争をしている中、人を失う悲しみが改めて分かりました。
●人々の人生を壊す戦争は絶対にいけないと思いました。
●コーヒーとお菓子を食べながら映画が見られて良かったです。ありがとうございました。