今年度柏原公民館主催の第3回人権講座を、2月6日(金)10時より当館講堂にて開催しました。講師は、元西日本新聞論説委員長で元福岡市人権啓発センター職員の中川茂さん。標記のテーマで、「超高齢社会の現状・実態」「超高齢社会の課題」「超高齢社会の人権面での問題」そして「楽しく生き抜くにはどうすべきか」「社会参加には多くのメリットがある」との項目毎に、ユーモアたっぷりにお話をして頂きました。さらに、60歳になって始めた「ピアノ演奏」を披露して頂き、参加者皆で歌い、『笑いあり歌あり』のひとときを過ごしました。
参加者は、公民館利用のサークル、自治協事務局、自治協傘下の各種団体、各町内会に呼びかけましたところ、地域の方々を含め70人を超えました。
日本人の平均寿命は、女性87.1歳、男性81.1歳で男女で84.3歳で世界トップ(世界平均は73.3歳 )。1960年では女性70.2歳、男性65.3歳。長寿の要因は①医療技術の高度化②国民皆保険制度③バランスの良い食事(和食)と言われています。一方、健康寿命は女性75.4歳、男性72.7歳と、平均寿命と大きな差があります。政府は、2040年までにあと3歳伸ばす目標設定とか。
高齢化率では、2025年に29.4%で、40年には34.8%の予想。因みにG7で日本以外の平均は約20%。「敬老の日」制定の1966年では、わずか6.3%。100歳超人口は、1963年153人が2025年9.97万人に。このように世界に先駆けて『超高齢社会』の時代となりました。「長寿」社会の実現は素晴らしいことですが、「課題」も少なくありません。2025年推計で、社会保障給付費が医療54兆円、年金60兆円、介護19兆円とのことで、今後、増加することはあっても、減少することは考えられません。巷間「消費税」論議が喧しいですが、財源問題を含め、現行の社会保障制度の行き詰まりの危惧が否定できません。また、独居高齢者は、2020年で約672万人(福岡28.4万人)で、2024年の警察庁推計で孤独死は約76,000人。独居高齢者の45%が「孤独死を身近に感じる」そうです。更には介護に伴う虐待(暴力・暴言・無視・介護放棄・預貯金の横領等)や、悪徳商法被害・成年後見人の不正等も少なくありません。加えて、生活保護受給世帯の過半が高齢者世帯という実情もあり、「高齢者のくらし」を取り巻く環境には、課題山積と言えます。
とはいえ、諸課題の認識を共有しつつ、『長寿は素晴らしい』ことなので、長い『第2の人生』を生き生きと充実させるために、「私たちができること」は、『社会とつながる』『他社とつながる』『人間関係をつくる』、つまり『社会参加』。このことを裏付ける話題の一つが『高齢者の就業率と一人当たりの医療費』。福岡県は高齢者の就業率は全国で40位前後で、高齢者一人当たり医療費は全国トップを20年ほど独走して、福岡県の国保制度が全国で最も早く行き詰まり金ないと言われているそうです。一方、長野県では、男女とも「長寿日本一」、高齢者の就業率は4割を超えて国内最高。そして高齢者一人当たり医療費は国内最低とのこと。更に公民館の数は約1800館とわが国1位。「社会参加」が「長寿」の秘訣と言えそうです。
お話しの後は『ピアノと歌』。中川さんのピアノで、参加者の皆さんと一緒に歌って講座を終えました。
{【参加者のアンケートより・・・一部抜粋】
●65歳で会社を定年退職し、何か活動しないと身体も頭もサビてしまうと思い、エレキギターを購入しギター教室で習う事を始めました。コードを覚えたり、歌ったり、結構難しいが、良いボケ対策となるし同年代や若い友達も出来た。また公民館のバドミントンサークルにも加入し、毎週参加し、年上の方も多い中で楽しく教えてもらっている。本日の講座は、健康に楽しく生きていくための広い知識と行動指標や心がまえを、分かりやすく楽しく教えていただく講座であり、大変参考になりました。久しぶりに懐かしい歌も歌えて良かったです。ありがとうございました。
●ユーモアのある講座でとっても楽しい時間でした。現代社会に生きる身は厳しいと感じています。高低の差(収入)埋められるものではないですね。公民館活動は多い方ですが、おかげで楽しい人生になっています。今後も参加させていただきます。公民館の方々も温かく見守ってくださっています、ありがたいです。
●高齢化社会の現状と今後の対応をいかに進めるか。福岡県の一人当たりの医療費が一番高いとのことに驚いた。長野県は高齢者の就業率が最も高く、高齢者の働く場所を福岡も増やし、生きがいを作ることが大事であると思う。長野県に学ぶべきである。
●少子高齢化といわれている現代、今回の講演会を聞いて数字を見て驚きました。2年前に母を亡くし、父は今一人暮らししていますが、73歳の今でも現役で働いています。働いているからこそ社会とのつながりはありますが、確かに地域とのつながりはありません。趣味はたくさんあるので、まだまだ人生を楽しんでもらいたいと思いました。社会保障制度など利用できるものは利用していけるように、私自身も勉強していこうと思います。貴重なお話をありがとうございました。
●毎日を振り返り、考えさせられる点も見つかり、再認識することが出来ました。新しい事に挑戦する事の大切さ、これから公民館をもっと利用します。
●今日はお話をありがとうございました。私は現在73歳。夫と夫の葉は97歳と暮らしています。自分も後期高齢者に近づき、自分の人生を振り返りますが、「老後は好きな事をして過ごそう」と周りは言いますが、長く家を空けることはできず、旅行も20年近く行ってません。今日のお話を聞いてますます暗い気持ちになりました(笑)。命尽きるまで、身近な小さな幸せを見つけて、人に迷惑をかけないように生きていくしかないですね。最後に、ピアノ演奏すばらしかったです。元気になりました。
●データから見る高齢化社会のお話しで、なるほどと思うことがたくさんありました。いつまでもどんな形でも、仕事や社会参加をしていく必要性を感じました。それが、地域参加につながればもっといいのですが。自分にもできることを考え、実行したいと思います。
●とても興味深いお話がたくさんでした。今日のお話を76歳夫(現役で就労している)にも話します。以前、「プラン75」という映画を観て、尊厳死について考えさせられました。死も待つことと本人が選べること、どちらが良いのでしょう?死に方より生き方を前向きに考え、取り組むことが大切ですね‼
●高齢化社会と言われだして久しいなか、今回の講座を聞くことが出来てとても参考になりました。人とのつながり、社会へ出ていく積極性、体を動かすことをこれからも意識して行っていくつもりです。本日はありがとうございました。
●社会の中での居場所、社会とのつながり。高齢者に限らず生きていく上で大切なことだなと改めて感じた。制度に関してはこの先どうなるんだろう・・・と不安は大きくなるばかり。ピアノ、うたステキでした。元気でました。感謝です。