11月15日(土)10時より、今年度「寺子屋かしはら」の7回目の講座を開催しました。今回は、毎年「公民館講座」の講師をして頂いています青木裕司先生のお話しです。毎回、多くの方々に参加いただいております「青木先生の講座」ですが、今回も大盛況でした。
今回のテーマは『世界の音楽~その多くはアフリカに始まった⁉~』。この講座開催にあたり、青木裕司先生からのメッセージを頂いておりましたので、ご紹介します。
『世界には、いろんな音楽があります。アメリカに生まれたジャズ、ブルース、ロックンロール。中南米には、サンバ、ボサノバ、レゲエなど。このような音楽は、すべてアフリカの音楽にルーツがあります。会場では、実際に楽曲を聴きながら、アメリカを中心とした各ジャンルの音楽の成り立ちについて、お話します。また、普段は聴く機会がないアジア各地の音楽もお聴かせしたいと思っています。どうぞご期待ください。』
音楽は、メロディーとリズムがありますが、アフリカの音楽は「リズム」が本質だそうです。およそ1600年から300年にわたって、イギリスなどの「奴隷商人」によって、ブラジルやアメリカなどへ「黒人奴隷」が送られた、暗い過去があります。その数は若者3000万人とも言われています。アメリカでは、南部の綿花畑で過酷な労働を強いられた人々の『黒人奴隷たちの魂の叫び』として「ブルース」が誕生。明るい曲はなく、短調の曲ばかりとか。
また、1865年に「南北戦争」が終結すると、軍隊楽器が不要となり、その楽器が安く払い下げられ、「黒人」が手にする機会が増大。そこで、彼らは、亡くなった人を埋葬した後に音楽を捧げたそうで、ジャズの始まりとされた「聖者が街にやってくる」が生まれたそうです。
やがて、これらの楽曲に「白人」の人たちが心酔していきます。イギリスのローリングストーンや、日本では山崎まさよしや鮎川誠も影響を受けたとか。1950年代には、米国人のカントリーとブルースがその礎とされる「ロックンロール」が誕生。「黒人」の人たちからも「黒人の魂を持っている」と評価されたエルビス・プレスリーが登場します。このプレスリーに大きな影響を受けたのがジョン・レノン、後にビートルズを結成し、実働7年で10億枚以上を売り上げたとか。さらに、後年、5人兄弟のグループが出て、やがて末っ子の男性が、ソロで大成します。マイケル・ジャクソンです。
南北戦争後、「黒人」の多くは、工業都市が多い「北部」へと移り、黒人居住地域を作っていきます。「A列車で行こう」は「白人」社会に広がり、ジャズ演奏者が増えていきました。グレン・ミラーなどがあげられます。また、「ダンスのためのジャズ」としてスイングが生まれ、ベニー・グッドマンが登場します。1938年、それまで「クラシック」中心のカーネギーホールではじめて、ジャズの演奏会が開催されました。代表曲は「SING SING SING」。
講座の初めには、モンゴル、キルギス、トルコの楽曲の紹介もあり、ブラジルではサンバ・ボサノバも「黒人奴隷」によるものとのお話を受けることができました。
様々な楽曲を聴きながら、当時やアーティストにまつわるエピソードを沢山紹介して頂き、楽しいひとときでした。
【参加者のアンケートより・・・一部抜粋】
●ブルースとジャズの違いが分かっていなかったのですが、歴史から教えて頂いて合点がいきました。大元はアフリカだったのですね。アメイジンググレースのこと、ベニーグッドマンの初のカーネギーホールでのコンサートのことなど色々な名曲を聴きながらご教示いただき、とても興味深く楽しい時間でした。点と点が繋がって線になったような気がします。小泉文夫先生のお名前も久しぶりに聞き懐かしく思いました。昔、テレビで世界の民族楽器について話されていたことを思い出しました。ご存命だったらもっとたくさんの方々が影響をうけたでしょう。
●大変興味深く、あっという間の時間でした。やはり音楽って素晴らしいですね。歴史と音楽の取り合わせに、新たな思いを感じました。ありがとうございました。来年も楽しみにしております。
●初めて寺子屋に同席させて頂きました。ジャズ系はあまりわかりませんが、世界での音楽を聞いて、少し歌手を知っている人も出て着て、ねむけも出ずに、青木先生の説明に聞き入りました。わかりやすかったです。
●青木先生の講演は毎回とても楽しみにしています。先生のバイタリティーあふれるお話は元気を頂け、とても刺激を受けています。本当にありがとうございます。今年の締めくくりに先生の声を聞けて幸せで~す。先生の好奇心が先生の生き方を作っているんですね。
●いつも音楽の愉しさを感じる暮らしをしています♪今日のお話でルールを知り、奥深さを感じました。昔はシャンソン、カンツオーネ、ロシア民謡・・・でもどこかでつながっている♪年齢を重ねたおかげで、ポールマッカートニー、クイーン、ローリングストーン、ホイットニー、マイケルジャクソン、ダイアナロス、スティービーワンダー、スチング、ビリージョエルetc…LIVEで聞きました。ありがとうございました。
●私は音楽の事は分からないけど、おどりたくなる感じとか、シングシングで入ってきたピアノのように、とまらない感じを味わえて、とても楽しかったです。聞いた事ある曲ばかりでルーツの話にあわせて聞けて、貴重な体験ができました。帰って家族に音楽と一緒に聞きながら話してあげたいと思いました。ありがとうございました。
●アジアやアフリカの民族に根ざした音楽!とりわけ、アフリカからアメリカ大陸に連れて行かれた奴隷たちのリズム音楽にブルース音楽が今、我々が親しんでいるROCKやPOPSといった多くの音楽の起源、源流となっていることが、わかり易い説明により良く理解できました。音楽が更にたのしくなりそうです。ありがとうございました。
●来年度は、世界情勢についての話が聞きたいです。
●青木先生の博識におどろき。又、見識の深さ。世界史だけでなく音楽の世界まで、まだまだ他にも先生の社会、政治などのお話を聞きたい。先生の巾の広さ、見識の広さに感動、感謝。