2026年7月6日月曜日

寺子屋かしはら『福岡の温暖化・今、何が起きとうと?』

7月2日(木)10時より、『寺子屋かしはら』の講座を当館講堂にて開催しました。今回は、かつてTNCテレビ西日本の『お天気おじさん』としておなじみの、気象キャスター・手嶋準一さんをお呼びして、『福岡の温暖化・今、何が起きとうと?』のテーマでお話をして頂きました。

手嶋さんは、城南高校出身で、九州大学、大学院で「農業気象学」を専攻され、つい最近まで「日本気象協会」にお勤めされていました。この間、17年間にわたりTNCのお天気キャスターを務められ、お茶の間でも人気でした。

最初に、福岡市とりわけ「柏原」の様子の変遷について、鎌倉時代の古地図から江戸時代、明治期、昭和初期、さらには昭和20年代、30年代、40年代、50年代、そして現在の古地図や地図、航空写真を用いて、 説明がありました。参加者にとっては「身近な街の地図」でもあり、熱心に、夫々の地図に見入っていました。江戸時代にはすでに「柏原村」と記載されていたり、昭和初期には屋形原尋常小学校と桧原尋常小学校が合併してできた「花畑尋常小学校」も記されていたことなども分かりました。「桧原」「柏原」「屋形原」「古野」などは、相当古くから存在していたことも知ることができました。現在の「柏原6丁目」や「DuO」「柏陵高校」などができる前の柏原の様子も分かりますし、大平寺も「市営住宅」のみで構成されていたことも分かります。

このように、古くからのたくさんの地図等を見ていますと、「圧倒的に緑や田んぼに覆われている」地域が、年々それが減少して、今や、「緑や田んぼが激減している」ことが分かります。このことが、「温暖化」の要因とも。1890年から2020年の、年間の「平均気温・日最高気温・日最低気温」の日本各地の数値が示されましたが、特に、「日最低気温」の年平均では、『札幌4.6度、仙台3.4、東京4.6、名古屋4.1、福岡5.0、佐賀1.6』と、福岡の上昇がわが国で1番高いことが分かります。つまり、「温暖化」の説明については、「毎年、夏の気温がとんでもなく高いですね」という話よりも、「最低気温の上昇」について論じることが大切とのこと。「佐賀の1.6」と比較してみると、「福岡の5.0」よりは「福岡ほどは温暖化が進んでいない」ことになります。

「温暖化の原因」とは{温室効果ガスの増加・街への人の集中による生活や暮らしからの排熱(ヒートアイランド現象)・都市での緑の減少・土壌水分の低下・大陸の影響」と言われています。一般に「CO₂の問題」が指摘されますが、緑が無くなったことや暮らしから出る熱の為の気温の上昇についても一考の要ありとも。

また、あらゆる災害の危険度を知らせる目安として、「レベル5」段階までの新ルールができたことの紹介もありました。かつては、「気象は運輸省」「河川は建設省」というように、災害の種類によって、所管が違って災害対策としては、チグハグな面も。最近のテレビにおける「災害対応」について、「最悪のケース」を想定したうえで「避難情報」が頻繁ですが、実際に避難された方は「1%にも満たない」と言われています。情報の発信はあれど、夜中や風雨の勢いが強い時などもあり、結局、避難するタイミングは個人に任されているのが現状。手嶋さんは、災害時の報道の在り方についてもより工夫が必要だと仰っていました。






【参加者のアンケート・・・一部抜粋】

●博多の古地図を見て興味が湧きました。又、柏原の古地図でも人の動き、郷土の歴史を知りました。気象のお話しも、報道されない話も聞けて、面白かったし、参考になりました。

●今日の寺子屋、最高!参加できて良かったです。普段見ることのない古地図をたくさん見せていただきありがとうございました。先生のお話、とても良かったです。

●大変勉強になりました。温暖化も分かった。気に留めながら生活をしていきたいと思います。福岡市の古地図も楽しかったです。変化が良く分かりました。

●博多の歴史も振り返ることができ勉強になりました。災害の起きやすい地域なので、きをつけるきっかけになりました。防災委員の大切さも感じました。

●手嶋さんに久しぶりにお会いできて良かったです。昔の柏原の話も聞けて良かったです。防災の話も為になりました。

●福岡の昔のお話しは楽しかったです。防災に関しては自分の判断を大切にして、日ごろから周囲を良く観察したいと思いました。

●手嶋さんの講演を楽しみにしておりました。地図のお話しも楽しかったです。福岡の温暖化は都市化の影響が大いにあると分かりました。私もハザードマップを見てしっかり確認します。今日のお話しは子ども達に話します。ありがとうございました。

●昔の地図から色々な歴史を学べて楽しかったです。地域に長く住まれている方から、昔の災害等聞けて勉強になりました。又、災害時の実情に則した避難方法を学べて良かったです。

●柏原地区の昔の状況がわかり知識が豊富になりました。梅雨真っ只中の気象の話は身近な問題で、勉強になりました。

●博多・柏原の古地図から温暖化の話まで、興味深いお話がたくさんでした。温暖化の本質は最低気温が下がらなくなったことと、福岡はそれが全国でもトップクラスであることが怖いですね。今年の夏も酷暑でしょうか?「冷夏」は死語になってしまいましたね。