2025年2月25日火曜日

公民館主催・人権講座『かしはらホームの21年』

本年度柏原公民館主催人権講座の3回目を、2月20日(木)10時より当館講堂にて開催しました。

今回は、20年にわたり、地元柏原で 活動されてきた「かしはらホーム」の職員、入所の仲間の皆さんをお呼びして、「障がい」のある方たちの地域の暮らしを通して、それぞれが住民の一人として暮らしている様子を、報告して頂きました。

施設長の小川玲子さんから、「かしはらホーム」のこれまでをお話しして頂きました。1977年鳥飼の炭鉱住宅の一室で、家族の願いから、当初は身体障がいの人が集まる、小さな共同作業所としてスタートし、廃品回収やバザーなどを中心に資金集めに尽力され、特に当時鳥飼公民館主事や民生委員の協力が大きかったそうです。その後、卒業後の知的障がいの仲間たちが増えて、早良区原の作業所に移りましたが、無認可であるため、職員や家族、支援者等から「社会福祉法人」の認可の取り組みがなされ、1991年に実現し、仲間の願いをもとに作業所を広げたとのこと。そして、親が元気なうちに「託せる暮らし」の施設を作ろうと、10年の活動の結果、当地・柏原に『かしはらホーム』が誕生しました。土地探しで困難な状況のなか、行政からは中央区・南区に建設を要望され、難儀していたところ、この地に「FBS」の土地があったことと、同局の「24時間テレビ」で取材されたこともあって実現したとのことです。2003年11月に開所しました。

「かしはらホーム」に繋がる親の願いとしては、「自分たちが年をとったら息子や娘はどこで暮らすのか。自分らしく暮らしてほしい。話したり、訴えたりできない息子や娘たちのこと、理解して気付いてほしい」とのこと。

現在、入所が50人で男性37人、女性13人。通所は10人で、男性8人、女性2人。職員は50人。仲間の皆さんは、4つの棟に個室で生活され、作業棟では5つの班に分かれて活動しています。休日等には、ファミリーマートやマルキョウでの買い物・散歩や、天神など郊外にも足を向けているそうです。先日・2月9日校区防災訓練にも参加され、これまでも福祉まつりや公民館サークル発表会等での物販にも取り組まれ、地域での暮らし・住民の一人としての暮らしの毎日。今回の講座での意見交換のなかでは、中間の皆さんからの率直な話を伺ったり、施設長さんからは、各町内会長さんとの協議を持ちたいなどの要望を受けました。参加の各町内会役員からも、今後の協力について前向きな話を頂きました。

これからの方向性としては、法人として「地域支援センターづくり」をめざしているそうです。具体には、障がいが重い人たちの地域生活を支えるため、「ショートステイ」や、障がいの重い人たちの「グループホーム」、「ヘルパーステーション」の実現をめざしています。ただ、国の方針としては、入所施設は増やさない方向とのことで、困難も抱えているそうです。私たちも、同じ地域に住む住民として微力ながらお手伝いが出来ればと思いました。「かしはらホーム」がんばれ、応援しています‼





【参加者のアンケートより・・・一部抜粋】

●かしはらホームさんへは、入り口しかよく知らなくて、中の様子がしっかり分かって良かったです。利用者さんがいきいきされているのを見て、嬉しくなりました。36歳の甥に知的障害があり、家で過ごしています。色々な事を勉強できてよかったです。参考にさせていただきます。

●かしはらホームの現状を知り得てよかった。彼らの希望など、思ったより楽しいことも聞くことが出来て、よかったです。また、祭りなどでお会いしましょう。

●2028年に向かって「地域センターづくり」を取り組んでいかれるという事で、今後何かお手伝いできること、バザーなど参加したいと思います。

●貴重なお話が聞けて良かったです。名前は知っていましたが、事業内容が分かって良かったです。仲間の方がいきいきとしている。お祝いをするなど、みんなの笑顔があること、素晴らしいと思いました。これからも障がいの方々を支えてほしいです。

●人権講座でお互いを知るという企画、大変、有意義だったと思います。

●ホームの20年の取り組み大変だったと思いますが、中間の頑張りに力をもらったことと思います。地域であたたかく見守りたいと思います。実際の仲間たちの声が聞くことができ良かったと思います。

●あらためて、かしはらホームの話が聞けて良かったです。行事など教えてもらいながら、地域の仲間として、交流できたらうれしいです。今日はありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

●近くにある施設ですが、どういったことをされているか、全く知らなかったので、参加してよかったです。小学校でも交流されているそうで、娘にも聞いてみようと思います。小学校・中学校PTAと協力して、子ども達と交流できる機会が増やせたらいいのかなとおもいました。ありがとうございました。

●人権講座、初参加でしたが有意義でした。かしはらホームの実際をしれて、よかったです。ピンクの車いすの方の正体が知れてうれしかったです。何の知識もなく今まで残念でした。ともに生きる個です。館長の話も興味深かったです。

●柏原に住んで25年になります。町内会の役も20年くらいやっていて、かしはらホームのことは知っていましたが、設立からのこと、現状など、いろいろ知らなかったことを知り得て参加してよかったです。校区では、スポーツ推進委員としても活動しているので、研修等で得た障がい者スポーツなどを何らかの形で生かせたらと思いました。