2023年6月13日火曜日

歴史講座、いよいよスタートです。

6月10日(土)、今年度最初の歴史講座が開催されました。今年も福岡大学歴史学科考古学研究室の先生や学生さんのご協力で開催します。今年度は全7回を予定しています。

第1回の今回は、『博多鋳物師と佐賀藩鋳物師』と題して大重優花先生より、また、大学院生の沼山旅羽さんより『柏原公民館展示資料について』と題して、それぞれ説明がありました。

鋳物とは、溶かした金属を型に流して作る器物のことで、鋳物を専門とする職人を鋳物師(いもじ)と呼ぶそうで、現在の遠賀郡芦屋町で南北朝時代初期~江戸時代初期まで活動した芦屋鋳物師は、茶の湯釜「芦屋釜」の制作で有名だとか。その鋳物師の一部が博多、姪浜へ移って「博多鋳物師」と呼ばれたそうです。また、「佐賀藩鋳物師」のご先祖さんは芦屋で修行して佐賀へ移ったとのことです。また、梵鐘の制作には「和鐘」「朝鮮鐘」「中国鐘」「日韓混交型式鐘」があるそうで、とりわけ「日韓混交型式鐘」は、中世では芦屋鋳物師が、近世以降は芦屋鋳物師の伝統を引き継いだ博多鋳物師が鋳造したとされています。主なものとしては、糸島の千如寺の半鐘や姪浜興徳寺半鐘、箱崎恵光院半鐘などがあるとのことです。

博多鋳物師と佐賀藩鋳物師がともに「日韓混交型式鐘」を制作した背景には、長崎警備御番の役目の他、姪浜での交流や英彦山信仰が関係しているのでは、と興味深いお話しもありました。