2023年12月19日火曜日

ヒトラーに抵抗した人々‼

 公民館主催の人権講座第3弾は、校区在住で、KBC『アサデス』コメンテーターでお馴染みの青木裕司先生の講演です。青木先生には、9月15日に寺子屋の講座で「第2次世界大戦と日本の敗北」のテーマで講演して頂きました。この時も70名を超える参加でしたが、今回は、約100名の参加で、会場は超満員。参加者の皆さんは、青木先生の圧倒的な迫力のお話にクギヅケに!

 1889年4月20日、オーストリア生まれのアドルフ・ヒトラー。第1次世界大戦に従軍も『背後からの一突き』、つまりユダヤ人と共産主義者の裏切りでドイツが敗北したと、彼は認識。この大戦後、ドイツはベルサイユ条約で領土削減・軍備制限・多額の賠償金が求められ、ついにはマルクの価値は1兆分の1に下落。ヒトラーは、ベルサイユ条約の破棄で軍備拡張、そして英、仏への復讐・反ユダヤ主義・ソ連、東欧への領土拡大(反ソ、反共)の主張のもと、ナチ党を結党(国民社会主義ドイツ労働者党)。

 アメリカ大恐慌で、アメリカが対独資本輸出を停止したため、ドイツ経済は低迷を極め、600万人もの失業者の中、国民的危機感の高まりで、政府は、議会制民主主義の根幹である責任内閣制を形骸化し、議会内の多数派の支持に基づかない「大統領内閣」を成立させ,ナチス党は、1930年総選挙で議席10倍、1932年には第1党に、そして翌33年には首相に。国会議事堂炎上事件を共産党の仕業とし、共産党は事実上壊滅。警察による盗聴、令状なしでの家宅捜索、労働組合の解散、反ナチス的文書の焚書、強制収用所設置・・・。ファシズム体制が強化され、ユダヤ人差別も熾烈を極めることに。

 このような国家体制のなか、ヒトラーに対する組織的な抵抗組織は殆ど存在しなかったが、市民的な抵抗としては、「ベルリンのユダヤ人逃亡組織」「ローマの聖職者オフラハーテイーの組織」「ドイツの不良少年たちの組織」「杉原千畝さん」の例が、紹介されました。

 これらナチスドイツの蛮行の数々ですが、決して「過去の話」ではありません。ロシア・ウクライナ、イスラエル・パレスチナ等、世界各地で今なお「悲劇」が繰り返されています。今回のテーマからの教訓こそが、現代的な課題として世界中に浸透されなければならないと、意を強くしました。